NTTジャパンラグビー リーグワン2022-23 第16節試合結果
23.04.22(土)14:00キックオフ
クボタスピアーズ |
||||||
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合計 | 39 | |||||
T | G | PT | PG | DG | 計 | |
前半 | 1 | 1 | 0 | 1 | 0 | 10 |
後半 | 5 | 2 | 0 | 0 | 0 | 29 |
VS |
---|
合計 |
前半 |
後半 |
東京サントリーサンゴリアス |
||||||
---|---|---|---|---|---|---|
合計 | 24 | |||||
T | G | PT | PG | DG | 計 | |
前半 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 5 |
後半 | 2 | 1 | 1 | 0 | 0 | 19 |
出場選手
# | スターティングメンバー |
---|---|
1 | 海士広大 |
2 | マルコム・マークス |
3 | 北川賢吾 |
4 | ヘルウヴェ |
5 | デーヴィッド・ブルブリング |
6 | トゥパフィナウ |
7 | 末永健雄 |
8 | ファウルア・マキシ |
9 | 藤原忍 |
10 | バーナード・フォーリー |
11 | 木田晴斗 |
12 | 立川理道(Cap) |
13 | ライアン・クロッティ |
14 | 根塚洸雅 |
15 | ゲラード・ファンデンヒーファー |
リザーブメンバー
# | リザーブメンバー |
---|---|
R | 杉本博昭 |
R | 紙森陽太 |
R | オペティ・ヘル |
R | ルアン・ボタ |
R | 青木祐樹 |
R | 谷口和洋 |
R | テアウパシオネ |
R | ハラトア・ヴァイレア |
個人得点
氏名 | T | G | PG | DG | 計 |
---|---|---|---|---|---|
バーナード・フォーリー | 3 | 1 | 9 | ||
ヘルウヴェ | 1 | 5 | |||
木田晴斗 | 1 | 5 | |||
テアウパシオネ | 1 | 5 | |||
ルアン・ボタ | 1 | 5 | |||
ゲラード・ファンデンヒーファー | 1 | 5 | |||
末永健雄 | 1 | 5 |
入替・交替
種類 | 時間 | 背番号 |
---|---|---|
交替 | 前半24分 | 5→19 |
交替 (HIA) |
前半28分 | 14→23 |
入替 | 後半10分 | 1→17 |
入替 | 後半10分 | 2→16 |
入替 | 後半10分 | 3→18 |
入替 | 後半10分 | 4→20 |
入替 | 後半10分 | 13→22 |
入替 | 後半17分 | 9→21 |
レポート
昨年12月に開幕した今シーズンもいよいよレギュラーシーズン最終戦。
第16節はスピアーズえどりくフィールドで、東京サントリーサンゴリアスと対戦しました。
12月18日に行われた開幕戦での同カードの一戦は、31対18でスピアーズは2004年以来のサンゴリアスからの勝利。
それから約4か月。15試合を互いに戦っての勝敗はスピアーズ13勝1敗1分に対して、サンゴリアスは12勝3敗。レギュラーシーズンを終えての順位は2位のスピアーズと3位のサンゴリアス。
前日の他試合の結果を受けて、順位も確定したこのカードは5月14日に行われるプレーオフトーナメント準決勝と同じ対戦となります。
プレーオフ前哨戦。
順位が決定している上での消化試合。
試合前には、そんな言葉も聞こえてきたこの試合ですが、終わってみれば過去「えどりく」史上最も熾烈でエキサイティングな80分となりました。
(参考)
NTTジャパンラグビー リーグワン2022-23、プレーオフトーナメント対戦カード決定のお知らせ
前半:重厚な攻撃でリードして折り返し
曇り空、微風の風上でスピアーズボールでキックオフした前半、互いの長所が良く出た展開になります。
キックを多用するサンゴリスと、ボールを回して多くのラックを作るスピアーズ。
特筆するのは接点の激しさです。スピーディーな集散で、ブレイクダウンにもプレッシャーをかけるサンゴリアスと、少ないパスでフラットに走り込んでダイレクトに当てるスピアーズの重い接点。ただ、この攻撃の連続では、スピアーズ前に出てアタックに手応えを感じます。
中盤での攻防で、スピアーズは上手く立ち回り、前半15分まで中盤付近やや相手陣でプレー。そうして、ファーストスクラムではペナルティを奪われたスクラムをうまく修正し、後半14分のスクラムでは逆に押し返してペナルティを奪い、ショットを選択。このペナルティゴールをフォーリー選手が成功させて3点を先制します。
その後も互いにエリアを奪い合う展開。
20分すぎには、サンゴリアス陣にキックを転がして、この数節タックルで貢献する力強さを見せていた根塚選手が、タックルに入ろうしたところで負傷。代わりにヴァイレア選手が投入されます。
直後のスピアーズのモールから、フォワード陣がモールで10m超押し込みトライするも、TMO*1の結果トライが認められず。
また、24分にはロックのデーヴィッド選手が負傷交替。二人の負傷交代にひとつのトライキャンセル。スピアーズにとって嫌な流れが続きます。
しかし、スピアーズはここまで優勢に進めていた接点で前に出て10フェーズを重ねて、ウヴェ選手がディフェンス網を突破しトライ。ゴール成功で27分10-0とします。
しかし、相手も追いつきます。そのきっかけはアンストラクチャーアタック*2から。
起点は33分のスピアーズ陣22mからのスピアーズアタック。このアタックを左右に大きく振って右サイドでアタックしたところで相手にターンオーバーを許すと、スピアーズディフェンスが乱れたところに、サンゴリスは波状攻撃で勢いを殺さず一気にトライまで運びます。35分のこのトライで10-5に。
その後も、前半終了直前までスピアーズはモールから連続攻撃を仕掛けてトライを奪いに行きますが、サンゴリアスの激しいディフェンスで攻撃を食い止められて10-5のまま折り返しとなりました。
後半:逆転されて13人に。諦めないスピアーズに流れが向く
後半は、さっそくスピアーズが先制。
グラウンド中央でのスクラムを安定してボールを供給すると、藤原選手からボールを貰ったフォーリー選手が相手ディフェンスの合間を縫ってラインブレイク。
抜け出したところですぐさま顔を出してきた木田選手にパス。木田選手は、相手ディフェンスのタックルを受けることを察知してあえて内側に入ることでタッチラインには押し出されず、相手のタックルを受けながら右角にトライ。
セットプレーからのフォワードの安定、バックスラインの状況判断、そして木田選手の速さと強さを見せたトライで、15-5とします。しかし、状況は一気に点数が動きそうな張りつめた緊張感。拮抗した時間が続くなか前半10分にスピアーズはフォワードを中心に5人のメンバーを交替します。
後半15分付近には、スピアーズ陣でゴールラインを背負うピンチの展開。しぶといディフェンスの末、フォーリー選手がボールを奪うも、その後再度ボールを奪い返され、アンストラクチャーアタックから一気にスピアーズゴール前まで戻されてトライを奪われます。
また、この一連のプレーでファンデンヒーファー選手に不当なプレーがあったとしてシンビン*3。
15-12と3点差に詰められたところで、一人少ない状況と苦しい状況に。ここでスクラムハーフを藤原選手から谷口選手に交替。
直後のリスタートからの展開で、スピアーズのコンテストキック*4からカウンターアタックを仕掛けて相手選手がスピアーズ陣にキック。
これを相手選手と谷口選手が追いますが、競り合ったタイミングで谷口選手にノーボールタックルがあったとして、ペナルティトライ*5
このペナルティトライの原因を作ったとして谷口選手にもシンビンが適応されます。
15-19と勝ち越されたところでファンデンヒーファー選手と谷口選手が共に一時退場し、スピアーズはバックス陣を2人欠く13人でのプレーとなります。
少ないバックスの陣形を見てサンゴリアスは積極的にスピアーズのディフェンス裏にキック。これで陣地を奪われ、21分にはモールからショートサイドにトライを奪われて、16分から21分の約5分の間に3トライを与えてしまいます。
15-24と9点のビハインドとなりましたが、スピアーズはあきらめません。続くリスタートからスピアーズは、この13人という状況を切り替えてシンプルなアタックを継続。スクラムハーフにフォーリー選手が入り、フォワードのラックからの持ち出しやラックから1パスで突っ込むダイレクトなアタックを継続し、一人ひとりの強さを活かして着実に前進。
10フェーズを超えるこうしたアタックを繰り返しながら、ゴール前に迫ったところで初めてバックスに展開。テアウパ選手が持ち出してラックを作ると、相手がブレイクダウンに入らない状況を見て、すぐさま立ち上がって再度持ち出して前進。タックルを受けながらもインゴールに手を伸ばしてトライ成功。
ゴールも決まり22-24。2点差に。
13人という劣勢で勢いを失いそうな流れの中、シンプルなプレーで強みを活かしてスコアすることで、再びチームの士気が上がります。
また、ここでシンビン中の選手たちがプレーに戻り15人対15人の状況に。
ここからはスピアーズの流れ。
スピアーズは徹底して、ゴール前の攻防を近場で挑みます。これにより相手が反則を繰り返し、相手チーム選手にシンビンも。
幾度からのラインアウトの末、ボタ選手がキャッチしたボールをそのまま保持して押し込み、34分にトライ。27-24と逆転に成功します。
続く38分には、ゴールラインを背負うピンチからファンデンヒーファー選手が相手のロングパスに反応してインターセプト*6
100m近く走り切るトライで32-24と突き放します。
終了間際の40分にはマキシ選手が抜け出したところに末永選手がフォローしてトライ。ゴールも成功して相手を突き放して勝利を決定付けました。
そのままノーサイドまで点数は動かず、最終スコア39-24でスピアーズは勝利しました。
試合を振り返れば両者の持ち味が良く出た、ボールもスコアも良く動く見ごたえのある一戦となりました。
ただ互いに苦しい状況をどのようにして乗り切るかという点において、勝敗が分かれました。
例えば、前半のアクシデントによる二人の負傷交代をリザーブ選手がしっかりとカバーしたことや、13人の状況でのテアウパ選手のトライに繋がった展開などは、勝敗を左右する要因となりました。
そしてそれは、試合ごとに成長してきたからこそできた試合中の修正力と、全員の意思統一があったからこそ。改めてこの16戦を通してさらに成長したチームが見ることができる80分となりました。
また最後に、順位やプレーオフが決まっていても、互いに全力で戦った両チームは、リーグワンのレベルと意識の高さを感じることができる、見る人を感動させるパフォーマンスでした。レギュラーシーズン最終戦であり今季えどりく最終戦は、益々プレーオフトーナメントが楽しみとなる激闘となりました。
★現在の順位
スピアーズはレギュラーシーズンを14勝1敗1分 勝ち点65点で2位となり、最終順位はプレーオフトーナメントで決定します。
★この試合のハイライト映像や記者会見レポートは、リーグワン公式ホームページの試合情報からご確認ください↓
https://league-one.jp/match/24066
【ピックアップ写真】
↑プレイヤーオブザマッチは逆転トライも取ったボタ選手
↑この試合でも末永選手が高いワークレートで貢献
↑第6戦以来の復帰戦となるクロッティ選手
↑バーナード・フォーリー選手はレギュラーシーズン総得点173点で得点王に
↑当日は5,651名のお客様にご来場いただきました。多くのご来場ありがとうございました
【次戦についてのお知らせ】
NTTリーグワン2022-23 プレーオフトーナメント準決勝
相手:東京サントリーサンゴリアス
日程:5月14日(日)12時5分
場所:秩父宮ラグビー場
【ラグビー用語解説】
*
1.TMO
テレビジョン・マッチ・オフィシャル、つまりビデオ判定のこと
2.アンストラクチャーアタック
アタック・ディフェンスの陣形が整っていない状態での攻撃。キック後のアタックやターンオーバー時がそれに当たる。
3.シンビン
イエローカード。10分間の一時退場となる。
4.コンテストキック
ハイパントなどの味方と相手で競り合わせるキックのこと。
5.ペナルティトライ
ディフェンス側の故意の反則がなれけば明らかにトライだったとレフリーが判断した場合に与えられる「トライ」のこと。コンバージョンキックはなく自動的に7点が加算される。「認定トライ」ともいう。この際、ペナルティトライの原因を作ったディフェンス側の選手はシンビンが適応される場合もあります。
6.インターセプト
パスカットのこと。一瞬で攻防が逆になるので、インターセプトされた場合はそのまま走り切られトライになることが多い。バックスの選手など、インターセプトを狙っている選手は多い。