ジャパンラグビートップリーグ プレーオフトーナメント 2回戦試合結果
21.04.24(土)12:00キックオフ
クボタスピアーズ |
ヤマハ発動機ジュビロ |
|||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
46 | 合計 | 12 | ||||||||
T | G | PG | DG | 計 | T | G | PG | DG | 計 | |
2 | 2 | 1 | 0 | 24 ※内7点はPT |
前半 | 1 | 1 | 0 | 0 | 7 |
2 | 2 | 1 | 0 | 22 | 後半 | 1 | 0 | 0 | 0 | 5 |
出場選手
# | スターティングメンバー | # | リザーブメンバー |
---|---|---|---|
1 | 海士広大 | 16 | 杉本博昭 |
2 | マルコム・マークス | 17 | 羅官榮 |
3 | 北川賢吾 | 18 | 山本剣士 |
4 | デーヴィッド・ブルブリング | 19 | 青木祐樹 |
5 | ルアン・ボタ | 20 | 末永健雄 |
6 | トゥパフィナウ | 21 | 岡田一平 |
7 | ピーター・ラピース・ラブスカフニ | 22 | 岸岡智樹 |
8 | バツベイシオネ | 23 | ライアン・クロッティ |
9 | 井上大介 | ||
10 | バーナード・フォーリー | ||
11 | タウモハパイホネティ | ||
12 | 立川理道 | ||
13 | テアウパシオネ | ||
14 | ゲラード・ファンデンヒーファー | ||
15 | 金秀隆 |
個人得点
氏名 | T | G | PG | DG | 計 |
---|---|---|---|---|---|
バーナード・フォーリー | 1 | 2 | 2 | 15 | |
トゥパフィナウ | 1 | 5 | |||
ピーター・ラピース・ラブスカフニ | 3 | 15 | |||
ゲラード・ファンデンヒーファー | 2 | 4 | |||
ペナルティートライ | 7 |
入替・交替
種類 | 時間 | 背番号 |
---|---|---|
入替 | 後半15分 | 1 → 17 |
入替 | 後半21分 | 8 → 20 |
入替 | 後半21分 | 10 → 22 |
入替 | 後半21分 | 13 → 23 |
入替 | 後半25分 | 3 → 18 |
入替 | 後半28分 | 2 → 16 |
入替 | 後半28分 | 4 → 19 |
入替 | 後半33分 | 9 → 21 |
レポート
いよいよクボタスピアーズのトップリーグ2021シーズンはプレーオフに突入。
負けたら終わりの緊張感のあるプレーオフトーナメントの初戦は、過去順位では格上となるヤマハ発動機ジュビロとの対戦となります。
ヤマハ発動機ジュビロはホワイトカンファレンス6位。しかし、過去日本選手権優勝経験もある強豪で、特にスクラムはリーグ屈指の強さを誇ります。
過去同カードの対戦成績で見ればヤマハが優勢。
ただ、クボタスピアーズも今季はスクラムも含むセットプレーが強みで、レッドカンファレンス3位と、今季の順位では上位となります。
最後のトップリーグで優勝を目指すクボタスピアーズにとって、倒さなくてはいけない相手です。
前半:先制許すも確実なプレーでペース引き寄せ24点奪う
ホストスタジアム江戸川陸上競技場、クボタスピアーズファンとヤマハ発動機ジュビロファンがオレンジとブルーに染めました。初夏を思わせる眩しい日差しの正午にクボタボールでキックオフ。
敵陣で攻め込むもペナルティを奪われ敵陣に。
そこから攻め込まれ、クボタの前に出るディフェンスを逆手に取ったディフェンス裏に転がすキックを拾われ先制トライを奪われます。
トライ後、インゴールでハドルを組み、次にやるべきことに備えるクボタスピアーズ。この先制での失点には動じません。
その後も自陣でディフェンス。
ファーストスクラムでペナルティを奪われヤマハの士気が上がるも、その後のディフェンスで北川選手が低いタックル、すぐさま海士選手がジャッカルでノットリリースザボール*1の反則を誘うプレーでスクラムでのペナルティを取り返しピンチ脱出します。
中盤ラインアウトからさらに相手反則により敵陣22mでラインアウトとなると、モールからのマルコム選手が持ち出し、テアウパ選手突進でゴール前まで迫ると、フォーリー選手がタックルを交わしボールをインゴールにねじ込みトライ。自らゴールを決めて前半14分7-7の同点に。
その後は、相手のキックにも15番金選手、11番ホネティ選手がうまく対応。
ディフェンスでは低いタックルとブレイクダウンの絡みで勢いを奪います。
アタックでは、「相手の待って流してくるディフェンスに対して走り込んで相手の弱い方の肩(インサイドショルダー)に攻めることを意識した」と試合後、井上選手がコメントした通りの、鋭い攻撃でフェーズ*2ごと前に出て勢いが生まれます。
そのアタックからで前半22分に敵陣でペナルティを得るとフォーリー選手がペナルティゴール成功で10-7と勝ち越し。
前半25分には連続攻撃から外側でボールをもらったラピース選手がインサイドに切り込み前にでてラックを作ると、ラックに入っていたトゥパ選手が目の前にディフェンスがいないことを見て、持ち出すと、独走しトライ。(ゴール成功で17-7)
29分には相手キックに対してしっかりと準備していたバックス陣が早いパス回しで外に展開して金選手が抜けると、その後の立川選手へのパスをヤマハ選手が叩いたとしてペナルティトライ*3で24-7
その後、前半終了間際までトライを奪いに行きますが、スコア動かず24-7で前半を折り返します。
後半:耐えて勝つ。後半10分までの全員のハードワークが勝利を引き寄せる
後半は開始直後からお互いの気持ちが全面に現れる攻防が見られます。
クボタスピアーズのゴール前でのペナルティから、相手は強みであるスクラムを選択。
その後3回、クボタスピアーズはペナルティを犯してしまいますが、これも同じくスクラムを選択。後半10分までのほとんどの時間、ゴールラインを背にスクラムを組み続ける苦しい場面が続きます。
しかし、4度目のスクラムで相手にボールを出させると、クボタ必死のディフェンス。
注目すべきはスクラムを組んでいたフォワード陣の動きだしの早さ。
クボタはスクラム直後にすぐにディフェンスに切り替え、2フェーズ目のディフェンスの時点でオレンジのユニフォームを着た選手全員がディフェンスラインを作ります。
そうして数的有利にたったディフェンスで立川キャプテンがボールに絡むと、ノットリリースザボールの反則を奪い、ピンチを脱出します。
この後半10分のプレーが、後半の流れを引き寄せるポイントとなりました。
ピンチを脱出した直後でのクボタラインアウトから、キックやターンオーバーなどでクボタボールとヤマハボールが何度も入れ替わる長い攻防が続きます。
互いにスクラムを10分間組み続けた直後でのこの攻防は、両選手の体力を消耗させる我慢比べとなります。合計2分20秒にも及ぶ長い我慢比べに勝利したのはクボタでした。中盤でのディフェンスで井上選手がボールを奪うとマルコム選手→金選手と繋ぎ敵陣22mまで。すぐに井上選手がボールを出すと、アタックラインをしっかりと準備したクボタは、フォーリー選手→ラピース選手と繋ぎ、ラピース選手が抜け出しトライ。(後半13分29-7)
日頃の厳しい練習の賜物ともいえるこのプレーで、流れを掴んだクボタは、その後の攻撃も確実に相手にプレッシャーを与え、後半15分フォーリー選手のペナルティゴール成功で32-7。
後半32分にはキックからのディフェンスでトライを奪われ32-12としますが、その直後のリスタートからプレッシャーをかけてミスを誘うと、交替した青木選手がボールを拾い、ゴール前にラピース選手にオフロードパスをしてトライ。キッカーはフォーリー選手からゲラード選手に代わり、しっかりとゴールを決めて後半39-12。
直後のリスタートで相手が蹴りこんだボールを、クボタは自陣から果敢に攻めます。
投入されたリザーブ選手のエネルギー溢れるプレーで、右へ、左へ、ロングパス、ショートパス、オフロードパスとボールをよく動かすダイナミックなラグビーでゴール前までボールを運ぶとラピース選手がラックから持ち出し、ハットトリックとなるトライ。角度のあるゴールをゲラード選手が決めて試合時間残り2分を残したところで42-12とします。
最後の粘りを見せるヤマハに対し、クボタは前にでてプレッシャーをかけるディフェンス応戦。
後半40分を知らせるホーン直後に敵陣10m付近左サイドからラインブレイクを許してしまいます。
ゴール前残り5mまで走られ、だれもがヤマハのトライを覚悟したその時、逆サイドから上がってきたゲラード選手がタックル。ボールにも絡みつき相手のボディーコントロールを奪うと、グラウディングさせません。タックルしたゲラードはすぐにボールに絡むとボールを奪い、岡田選手が蹴りだしノーサイド。
最後の最後まで、気を緩めないこの試合に対する厳しい姿勢を見せたプレーでゲームを締めました。
★現在の順位
クボタスピアーズはこの試合で、プレーオフトーナメント準々決勝に進出しています。
この試合のハイライト映像はこちらです↓
https://www.youtube.com/watch?v=sA_v-suFs4k
【フラン・ルディケヘッドコーチのコメント】
「まずは結果には満足できています。この2戦の敗戦という結果だったこともあり、この結果を出せたことに満足しています。立川キャプテンはじめ出場していた選手たちがよくやってくれたおかげです。」
【立川キャプテンコメント】
「ヤマハとの試合が決まってから、先を見ずにこの一戦に向けてしっかりと準備してきた結果がでたと思います。少し時間もあきますが、しっかりと反省して、負けたら終わりのこのプレーオフトーナメントを楽しんでいきたいと思います。
最初のトライを奪われてしまったことについては、特に慌てずハドルで修正し、自分たちのプランを信じてプレーすることで、修正できました。ただまだ修正点はあるので、これで満足せずより良くしたいと思います。リーグ戦での敗戦を活かした部分は大きいです。試合を通して反省を活かして成長していきたいと思います。」
【井上選手コメント】
「クボタスピアーズとしても準備していきたことを攻守に渡り実行できた試合だったと思います。
最初、先制された部分も修正し、その後はクボタスピアーズらしく試合をすることができました。
相手がスクラムで勝負することはわかっていたので、予想通りの展開となりました。スクラム自体は負けている印象はなく3番の北川がよく耐えていたと思います。一瞬も気が抜けない攻防でしたが、そのなかでもチーム全員がしっかりと戦うことができたと思います。
今日の試合はブレイクダウンで有利に立つことができたので、スクラムハーフにとっては、戦いやすかったです。チームとしても、練習で行っていた通りのイメージ通りのアタックをすることができました。
」
【ゲラード選手コメント】
「最初は望むようなスタートを切れませんでしたが、チームとして同じ絵を見て、やるべきことをやったことで自分たちの流れに持っていくことができました。この試合のフォーカスポイントは自分の仕事を全うすることでした。そのなか、自分のやるべきことができたと感じています。」
【ピックアップ写真】
↑セットプレー、ボールキャリアー、そしてジャッカルでもさすがのパフォーマンスを見せたマルコム選手
↑第3節以来の出場となるホネティ選手はエネルギー溢れるプレーで勢いを作った
↑相手得意のスクラムで真っ向から戦い切った北川選手
↑リザーブで出場の山本選手は高いワークレートを披露
↑後半、試合に躍動感を与えた岸岡選手
↑ボールキャリアーで見せた羅選手
↑青木選手、杉本選手は忠実な仕事で勝利に貢献
↑リザーブの岡田選手と末永選手
【ラグビー用語解説】
*
1.ノットリリースザボール
タックルされたプレーヤーがボールを離さないこと
2.フェーズ
スクラムやラインアウトからカウントされ、ラックやモールが形成さえる度に1フェーズ、2フェーズと繰り返される
3.ペナルティトライ
ディフェンス側のペナルティがなければトライになっていただろうとレフェリーが認めた場合、トライが与えられること。認定トライともいい、自動的に7点が追加される。また、ペナルティトライの原因を作ったディフェンス側のプレーヤーはシンビン(10分間の退場)になる場合も多い。
【次戦についてのお知らせ】
トップリーグ2021プレーオフトーナメント準々決勝
相手:神戸製鋼コベルコスティーラーズ
日時:5月9 日(日) 12時45分キックオフ
場所:エコパスタジアム
チケット情報
https://www.top-league.jp/ticket/
TV放映
J-sports1にて生放送
https://www.jsports.co.jp/program_guide/03/12/90329_1245747/
J-sportsオンデマンドにてライブ配信
https://jod.jsports.co.jp/p/rugby/topleague/90329-L
SNS:Twitter速報有り
https://twitter.com/Kubota_Spears
アプリ:スポライブにて速報有り
https://app.spo.live/share/?sportsId=rugby&leagueId=topleague_2021&gameId=21122&locale=ja&t=1619348783318