2021-22シーズン NTTリーグワン プレーオフ 3位決定戦 試合結果
22.05.28(土)12:00キックオフ
クボタスピアーズ |
||||||
---|---|---|---|---|---|---|
合計 | 23 | |||||
T | G | PT | PG | DG | 計 | |
前半 | 3 | 1 | 0 | 0 | 0 | 17 |
後半 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 6 |
VS |
---|
合計 |
前半 |
後半 |
東芝ブレイブルーパス東京 |
||||||
---|---|---|---|---|---|---|
合計 | 15 | |||||
T | G | PT | PG | DG | 計 | |
前半 | 2 | 1 | 0 | 1 | 0 | 15 |
後半 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
出場選手
# | スターティングメンバー |
---|---|
1 | 海士広大 |
2 | ジャバ・ブレグバゼ |
3 | 北川賢吾 |
4 | ヘルウヴェ |
5 | ルアン・ボタ |
6 | トゥパフィナウ |
7 | ピーター・ラピース・ラブスカフニ |
8 | ファウルア・マキシ |
9 | 谷口和洋 |
10 | バーナード・フォーリー |
11 | 山崎洋之 |
12 | 立川理道(Cap) |
13 | ライアン・クロッティ |
14 | 根塚洸雅 |
15 | ゲラード・ファンデンヒーファー |
リザーブメンバー
# | リザーブメンバー |
---|---|
R | 杉本博昭 |
R | 山本剣士 |
R | オペティ・ヘル |
R | デーヴィッド・ブルブリング |
R | 末永健雄 |
R | 藤原忍 |
R | テアウパシオネ |
R | 金秀隆 |
個人得点
氏名 | T | G | PG | DG | 計 |
---|---|---|---|---|---|
ゲラード・ファンデンヒーファー | 1 | 5 | |||
山崎洋之 | 2 | 10 | |||
バーナード・フォーリー | 1 | 2 | 8 |
入替・交替
種類 | 時間 | 背番号 |
---|---|---|
入替 | 後半14分 | 2 → 16 |
入替 | 後半14分 | 3 → 18 |
入替 | 後半17分 | 6 → 20 |
入替 | 後半17分 | 14 → 23 |
入替 | 後半29分 | 1 → 17 |
入替 | 後半29分 | 9 → 21 |
入替 | 後半31分 | 5 → 19 |
入替 | 後半35分 | 13 → 22 |
レポート
プレーオフトーナメント進出も準決勝でワイルドナイツに敗戦したスピアーズは、三位決定戦を東芝ブレイブルーパス東京と戦います。
優勝を逃した両チームにとって、難しいモチベーションで挑む試合になりますが、スピアーズにとっては、これまで積み重ねてきたプロセスの集大成を見せる機会。
シーズン後半から調子を上げてきた歴史あるブレイブルーパスは、自分たちの実力を示す絶好の相手。
試合は、そんな両者の気持ちが伝わる非常に激しい80分となりました。
前半: 闘志溢れる相手の攻撃に後手を踏む序盤
3位決定戦は、夏空が広がった眩しい日差しの秩父宮ラグビー場でキックオフしました。
キックオフ直後は両者キックを中心とした固い立ち上がり。
しかし、前半約10分までにこの試合への闘志溢れるブレイブルーパスの猛攻にあいます。
スピアーズは、相手のアグレッシブな攻撃に対し、今シーズン通して続けてきた出足の早いディフェンスで襲いかかります。しかし、それに対して準備していたブレイブルーパスは、ラインアウトからの攻撃で外にロングパスでボールを運ぶとラインブレイク。スピアーズもギリギリのところで止め、素早くディフェンスをセットしますが、相手の11番の強いランナーを止めることができず、先制トライを許します。(ゴール不成功、前半7分0-5)。
さらに前半10分には、自陣でのディフェンスからタックルし、ボールを奪ったと思ったところそのボールがファンブル。これに相手チーム選手が反応し、トライ。ゴールも成功し、0-12。
さすがに前半10分での2本立て続いてトライを奪われたのは、手痛いところですが、スピアーズは落ち着いて、自分たちのラグビーを展開します。辛抱強く守りながら、敵陣に入ると、ここまで優勢に組めているスクラムで、反撃の糸口をつかみます。
前半18分、組み直したスクラムから、アドバンテージ*1を得ると、バックスにボールを供給。フォーリー選手が相手の早い上がりのディフェンス背後にできたスペースを見逃さず、ディフェンスラインの頭上を通すキックで、空いたスペースにボールを転がすと、立川選手とクロッティ選手の両センターがチェイス。クロッティ選手キャッチすると、タックラーにつかまりながらも外側からフォローに入ってファンデンヒーファー選手にパス。俊足のファンデンヒーファー選手はそのまま走り切り前半18分にトライ。ゴール不成功で5-12となります。
その後のトライもスピアーズ。起点はセンターライン付近相手ボールラインアウトから。
ブレイブルーパスの猛攻を凌いだ後の、中盤でのラインアウトディフェンスの局面、ボタ選手がジャンプしてターンオーバー*2すると、バックスラインですぐに右外に展開。素早いパスワークで根塚選手が右外側をラインブレイクすると、パスを繋ぎながらゴール前まで前身し、ボタ選手がラックを作ります。すぐさま折り返しの左サイドに展開すると、フォーリー選手がパスダミーで相手ディフェンス二人をひきつけつつ、鋭いパスは左サイド外側にポジションしていたトゥパ選手へ。トゥパ選手はすぐさまライン際にいた山﨑選手に渡すとそのまま抜け出しトライ。フォーリー選手はゴールキックを落ち着いて決めて、前半29分12-12の同点と並びます。
拮抗した場面での前半終盤。互いに先にスコアしたい場面で、ブレイブルーパスは自陣からボールを展開する積極果敢なアタックからスピアーズの反則を誘い、36分にペナルティゴールを追加。12-15と勝ち越します。
しかし、その直後のリスタートキックをフォーリー選手が浅いキックで10mライン付近に落とすと、スピアーズディフェンスがプレッシャーをかけ、相手のミスを誘い、敵陣22m付近中央でスクラム。これを安定して組み、左サイドに展開するとシンプルにボールを一つずつ繋ぎながらも、クロッティ選手が相手をしっかりと最後までひきつけて、山﨑選手にパス。そのまま抜け出した山﨑選手この日2度目のトライ。ゴール不成功で後半39分17-15と逆転に成功し前半を終えます。
後半:両チーム通じてわずか6点の40分は息つかせぬ緊張感
前半は行きつかせぬ攻防で、プレーオフのレベルの高さを見せた両者。
それは後半も同様でした。
後半4分。コンテストキック*3に対して、ファンデンヒーファー選手のキックチェイスから敵陣で奪ったペナルティを、スピアーズはタッチに蹴り出しラインアウトを選択。しかし、これは相手にボールを取られ失敗。相手タッチキックからの中盤付近でのスピアーズアタッを一時攻撃でボールを落とすミス。この試合はスピアーズが得意とするフェーズを重ねるアタックができません。
しかし、この相手ボールスクラムを押し込み、フォワード陣が一丸となって押し込むと相手のペナルティ。ゴール正面のシチュエーションで今度は迷わずショットを選択。フォーリー選手が決めて、後半9分20-15後半先制に成功します。
その後、互いに激しく攻め合うきつい時間帯。後半14~17分にかけて、スピアーズは杉本選手、オペティ選手、末永選手、金選手を投入。元気な選手を入れることで、ゲームに動きを与えますが、レベルの高い攻守で互いのスコアボードは動きません。
この硬直した局面が続いた後半27分には、ペナルティゴールで3点を刻み23-15と8点差とします。
ところが、このタイミングでオペティ選手のタックルが危険と断され10分間の退場。
時間帯、点差、チームのタフさが問われる局面となります。
試合時間残り12分で人少ない状況スピアーズは、ブレイクダウン周辺で相手にプレッシャーをかけ、反則を誘います。じわじわと時間を使いながら敵陣にプレーを続け、オペティ選手の退場も解けてプレーに戻ります。
そして、試合終了間際スピアーズは敵陣でアタックし続け、勝敗はほぼ決まっても最後までトライを奪いに行きます。ペナルティから速攻を仕掛け、テアウパ選手、ウヴェ選手などがボールを持って相手ディフェンスに真っ向からぶつかりに行きます。しかし、トライを奪うことはできずそのノーサイド。最終スコア23-15で勝利しました。
最後の1秒まで全力を出し切り、自分たちのラグビーに徹した両チームの姿勢は、見る人に感動を与える内容でした。
この試合結果により、クボタスピアーズ船橋・東京ベイはNTTリーグワン2022を最終順位3位の成績でシーズンを終えました。
★この試合のハイライト映像はこちらです↓
https://youtu.be/RKfm6kIlnAE
【試合後コメント】
ヘッドコーチコメント等の記者会見でのコメントは、リーグワンホームページ試合レポートをご確認ください。
【ピックアップ写真】
↑プレイヤーオブザマッチには海士選手が選出
↑この試合でリーグワン試合出場数50試合を達成したラピース選手
↑今シーズン、プレーでリーダーシップでチームを引っ張った立川選手。グラウンドに立ち続け、攻守にわたり貢献するプレーでチームをここまで導いた
↑後半の先制PGをチャンスを作ったスクラム後の様子
↑山﨑は久しぶりの出場で2トライを獲得する活躍を見せる
【ラグビー用語解説】
*
1.アドバンテージ
反則を受けたチームが有利に働いている場合、プレーを継続させること。ミスや反則があった場合は反則があった地点からリスタート。一定時間がたつとアドバンテージは解消されます。
2.ターンオーバー
攻守が逆になること。相手ボールを奪うこと。攻守が切り替わるタイミングのためディフェンス側の陣形が整わず、一般的にはチャンスとなることが多い。
3.コンテストキック
ボールを高く蹴り、味方と相手で競り合わせるキックのこと