連敗スタートとなった今シーズン、二節までのゲームでのペナルティーから崩れていく部分の修正と、どうやって攻めていくかを確認しゲームに臨んだ。
前半の立ち上がりからディフェンスでのプレッシャーを強くかけており、クボタのペースでゲームを支配していた。おそらく前半の20分間はスクラムでの反則とオーバーザトップの2つしか反則が無かったと思う。反則を犯さない、地域を取っていくという面で風下の前半を上手く乗り切れたことが、今回の勝利につながった要因といえる。特にフォワードのモールについては、前節の神戸製鋼戦で上手さと強さを体験しており、今節ではその経験が良く活かされたと感じた。三洋もモールに入る選手が少ないという事があったが、クボタもゆっくりとあわてず、モールを組み、また動かしながらバックスへとボールを供給し、フォワードとバックスの攻撃のバランスがとれたゲーム展開になっていた。
前半13対0とリードしたところから、ターンオーバーを許し、2トライを奪われ逆転されてしまう。この2トライの要因は甘くなったタックルにある。それまでしっかりと入っていたタックルが高くなり、相手にゲインを許した。下がるディフェンスは弱いのである。しかし、前半を1点差で折り返せたことは、今期のチームとしては後半に強さが出ており、また風上に立つ利点を活かせば、必ず逆転できると信じていた。選手達も「このまま終わったら、また悔いが残るぞ。」と口々に後半への気合を出しており、後半も再度、地域を取りながら、反則せず攻めること、甘くなったタックルを修正することを確認した。
後半の前半部分は三洋の勢いが残っており、クボタの反則やミスもあったが、ディフェンスは終始頑張っており、流れが再度クボタに来るゲーム展開であった。ターンオーバーからボールを外に回し、WTB本吉の持ち込んだゴール前のラックから伊藤(宏)が飛び込んだが、ノックオンでトライが認められなかった。しかし、流れは終盤クボタにあった。その後の相手パスミスを足で引っ掛け、今度はこのボールを伊藤(宏)がしっかりとキャッチしてインゴールへ運び、25対20と逆転した。その後のキックオフもキャッチから相手陣へ入っての攻防を守り抜き、今期待望の勝利のノーサイドのホイッスルを聞くことになった。このゲームでの勝因はディフェンスにある。バファフォラウ、オライリーの両外国人選手の作るチャンスからボールを動かすという三洋のアタックに対し、クボタの両センターが思い切り良くタックルし、またフォワードもディフェンスラインを乱すことなく反応できていた。
課題は後半増えていったペナルティーへの対応である。レフェリーの基準を早く理解し、それに順応すること、そしてそこからどの様に激しくプレッシャーをかけるのかを課題として練習に取り組み、2週間後のサントリー戦にその成果を発揮したい。今回は初の長野県でのトップリーグ開催にも係わらず、多くのファンの皆様、会社関係の皆様に応援を頂きましたことをお礼申し上げます。
この1勝は目標への通過点ですが、次へのステップへの大きな1勝でもあり、今は素直に喜びたいと思います。やればできるという自信を持ち、それが過信にならぬ様にチーム一丸となり、更に皆様に声援いただけるチームを目指し頑張りますので、今後ともスピアーズへの声援をよろしくお願いします。