開幕試合として何としても勝利したいゲームは、残念ながら敗戦となってしまった。
チームの状況としては、けが人があり厳しい状況であるが、13試合の長丁場では、どのチームも同じメンバーで戦って行く事は難しい。
むしろ現状を肯定し、その時のベストメンバーを選出し、初戦に臨んだ。
三洋電機は、お互いに手の内を知り尽くしており、春のオープン戦、9月のプレシーズンと今期既に2戦していることから、相当研究し準備されているので、如何に自分たちのプレイを確実にミスなく行うかというところがポイントと考えていた。
またプレシーズンのゲームでラインナウトモールからトライを奪われていることから、ディフェンスを重視したメンバーを選出した。
雨のゲームは、お互いに持ち味であるボールを大きく動かすというアタックは難しく、キックで陣地を取り合うというゲームになる。勝敗の分かれ目としては、三洋電機のスタンドオフのトニーブラウンがキックを的確に使い、徹底した雨のゲームプランをやり抜いたところにある。
このキック戦略により、クボタは自陣でのゲーム運びが長く、心理的に苦しい我慢のゲームになってしまった。この日のディフェンスは非常に良く、ディフェンスから相手のペナルティーやミスを誘って、数多くのターンオーバーの機会を作ったが、そこからのアタックで細かいミスやペナルティーを犯してしまい。波に乗り切ることができなかった。
心理的な影響から後半残り10分と5分のペナルティーでは、スクラムとラインアウトをそれぞれ選択する。これはペナルティーゴールを決め、点数を詰めることで陣地をキックオフにより下げることが心理的に嫌と感じたこと、フォワードが三洋にプレッシャーをかけており、勝負を挑んだことがペナルティーゴールを選択しなかった要因であるが、結果的には得点に結びつかなかった。
自分たちの戦いに対する理解度と戦い方のこだわりにおいて、三洋の方がより我々よりも徹底していたことが、勝敗の分かれ目になったと感じている。
しかし、クボタは雨の中でボールを動かすことに挑戦していたし、ゲームプランについても果たそうという姿勢が見えた。加えて初スタメンの3名(手塚・太田・茂木)は期待に応えた働きであり、今後シーズンを乗り切る上での貴重な体験をしてくれた。
新人の活躍が刺激になり、いっそうチーム内での競争が高まれば、チームのレベルはまだまだ上がっていくと期待している。悲観することなく前を向いて自分たちのスタイルを貫いて行きたい。