5連敗と結果の出ない状況からの脱出の為、アタックの精度を上げること、テンポを変えてスピアーズのペースを作ることをこの一戦に向けて準備した。内容的にはけっして良いできとは言えないゲームであったが、春から取組んできたディフェンスが特に後半に機能したことが勝因であったと言える。
失点を最小限に留め、リコーよりも強い部分で勝負することで得点でも相手を上回れたことで、自分達のスタイルもようやく明確に感じたのではないかと思う。
特にフォワードはリコーラインアウトを研究し、何度も相手ボールを奪い、マイボールでも確実にボールをキャッチし、攻撃の機会を増やしてくれた。特に前半自陣10m付近でのラインアウトからモールを形成し押し込めたことで、フォワードがモールでいけるという感触をつかんだ事がゲームの流れとして良かった。
ゲームの序盤でラインナウトとモールでいけるという自信を持てたことで、まずい流れの中でも立て直していける拠り所となった。ターンオーバーされてもターンオーバーし返せるというように、ミスが多く内容が悪いながらも勝利を得られたのは、こういった絶対に勝てる部分がこの日はあったこと、ディフェンスが後半になるに従い整然として安定してきたことにある。
2年ぶりの出場となった大津留は公式戦から遠のいていたにも関わらず、前半2本目のトライにつなげた競り合いに勝ったプレーは、持ち味のスピードと真面目にボールを追うという彼らしい性格が出ていた。これを追いかけた茂木のランニングスキルも、チームが変わろうとする中で意味のある、ゲームの流れからも大きなトライであった。
リコー戦に臨んでは、「リコーに対し特別なことをするのでなく、自分達が取組んできたことを確実にする。」という事を意識させた。
春から取組んできたディフェンス、修正を続けているアタック等、チームとしての力は、徐々にでは有るが安定してきた。この一勝を今は素直に喜び、そして勝った時こそ反省し、次のステップに上りたいと考えている。
次節のトヨタは昨年も同様の時期に対戦し、ここからチームの勢いを無くしてしまった経験がある。強いチームと弱いチームに分かれて行く、そういう時期にリーグ戦はさしかかっている。
春から「熱」のある熱いチームになることを目指してきた、我々の取り組み度が試される正念場のゲームとなる次節の一戦を向かえる前に勝利した意味は大きい。