けが人の関係から三洋電機さんのご好意で、日程を変更させて頂き、サテライトリーグの最終戦は、'06年最後のゲームとなった。赤城颪の冷たい強風の中で、あえて両チームとも展開を意識したゲームにチャレンジした。
このゲームでは、(1)タックルミスしないこと(2)ファーストコンタクトで受けないこと(3)コミニケーションを取ることを特に意識させた。
11月は、トップリーグ、ヤマハ合宿、早稲田との合同練習、サテライトリーグとスケジュール的には、きつい日程の中で選手は戦っていた。チームの底上げとしては最も充実した年だと言える充実振りであった。
競うこと、メンバー入りを目指すという目標があったからこそ、きつい練習にも耐え、高い意識を維持できていたと思うのであるが、ワールドに苦戦し、トヨタに負けベスト4入りが難しくなるという環境の中で露呈した、メンタルコントロール面での課題。サニックスと引き分けるという状態はチーム全体で下がったモチベーションが原因であったと思う。
サテライトリーグ最終戦、勝てば2位になるという重要な一戦を前に、チームに漂う士気の緩みを断ち切るためにも、激しく戦うこと、特にディフェンスすることはゲームの流れを作る上で非常に重要であり、指示内容をこの点に言及した。
しかし、その心配をよそに最初から激しくプレーし、風下の劣勢な状況下をディフェンスとFwのモールを上手く使い、ボールキープの時間を長く取りながら上手くゲームをコントロールしていたが、一瞬のスキをつかれてトライを許してしまった。
前半は、バックスのアタックでのパスミスやコンビミスが起こっていたので、風を考慮した短いパスをつなぐこと、ポイントを近場にしてアタックすることを指示したが、この日は最後までバックスのパスミスが続いてしまった。強風下のゲームでの経験が不足しているのは理解できるが、「対応」という面での成長がまだまだ必要かもしれない。
後半も先に三洋に得点を与えてしまったが、そこからトライを返し(ゴール成功)12対7と追い上げるも、ミスからボールをターンオーバーされトライを許し、17対7でノーサイドとなった。
全体を通じて、このゲームを引っ張ったのはキャプテン山口やフランカーの安藤、プロップ佐川といったベテラン達。激しく前に出る気持ちを出し続けてくれたことで、チーム全体の勢いが最後まで続いた。
大鰐の負傷により、急遽フランカーに入った清野(護)、フルバックとして今シーズン通じて成長を見せてくれた栗原(喬)、フィールドプレーに成長を見せたフッカー竹野をはじめ、まだまだ成長する選手がスピアーズには多くいる。
個人練習と個人の意識を上げるものほど厳しい練習は無い。いくらでも怠ける事ができるからだ。自分のために頑張ることが、まず最初、全員がその気持ちを持って目標に向かえば、まだまだ強くなれるはず。
やり遂げた者にしか分からないことが、まだまだ多くある。そして、やったことしか出ないのも、またゲームである。
このゲーム、戦う気持ちは十分に伝わった。新たな年での飛躍を大いに期待したい。