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スピアーズOB 「ノーサイド・ゲーム」出演を語る座談会~あのシーンの舞台裏は? ラグビーの魅力とは?~

今夏7月~9月にかけて放送され、視聴者に感動を与えたTBS日曜劇場「ノーサイド・ゲーム」。
このドラマでトキワ自動車のラグビーチーム・アストロズのメンバーにクボタスピアーズOBの5人が出演していたのはご存じでしょうか。
今回はそのうちの4名が、撮影の裏話や出演のきっかけなどを語る座談会を開きました!


(今回座談会に参加したメンバー、左から)岩爪、端本、髙橋、井上

■PROFILE

①クボタスピアーズ在籍  ②ポジション ③出演に関して

髙橋 銀太郎
①206-2015シーズン
②スタンドオフ、フルバック
③ワールドカップ前で日本を盛り上げたい気持ちと二度と経験できない機会と思い撮影に参加しました。

端本 太郎
①2009-2014シーズン
②プロップ
③ポジション的にプロップがいなかったことをきっかけにオファーがあり、オーディションを受けました。

井上 卓哉
①2014-2016
②スクラムハーフ
③ラグビーワールドカップイヤーということで少しでも自分の経験で貢献できればと思い、出演に挑戦しました。

岩爪 航
①2008-2017
②プロップ
③撮影では色んなポジションを経験しました。業務に通じる面が多くモチベーションアップにつながりました。






―――テレビでは7月から約2ヵ月半ドラマ放映されましたが、実際、撮影にはどのくらいの期間携わったのでしょうか。

髙橋:3月末にオーディションが行われ、4~5月に練習期間があり、5月下旬から本格的な撮影が始まりました。その間、俳優陣はアストロズの選手陣に演技指導を、逆に選手陣は俳優陣にラグビー指導を行いました。このドラマの福澤監督が元ラガーマンで、本物のラグビー選手が演技をすることにとてもこだわっていました。「元トップリーグ選手やラグビー経験者が熱演した」というのが、このドラマの大きな特徴だったのではないでしょうか。


井上:アストロズのメンバーだけで30人、それに俳優陣、スタッフ・・・と、現場には常に60人ほどいましたが、関わる人数はそれ以上!スケジュール調整となると、スタッフ側もとても複雑だったと思います。最後の1ヵ月は週4日のぺースで土日も含めて撮影に入っていましたね。


―――ドラマに携わっている間、周囲からどんな言葉を掛けられましたか? 特に社業を行いながらの撮影では大変だったのではないでしょうか。


端本:私は営業担当ですが、見積書の作成だったり、お客様からの問い合わせ応対だったり、さまざまな面で職場の方に厚くフォローして頂き、撮影に参加することができました。皆さんが温かく撮影に送り出してくれたことにとても感謝しています。


髙橋:序盤は映像に映るだけで周りの方から反響がありましたが、回を重ねるごとに、「セリフは?」「もっと映らないの?」という激励の声もいただきました。仕事の面で普段と変わらない業務量をこなすことができたのも、現役時代のように職場の皆さんが万全のサポート体制を作ってくださったお陰です。


井上:撮影が長かったこともあり現場にPCを持っていき業務を行っていましたが、何より職場の皆さんのフォローがあったからこそ、今回のドラマ出演に挑戦できました。現役時代、「ラグビーと業務の両輪を回す社員選手」という立場にあった頃から、その状況を受け入れる土壌を作ってくれていた皆さんが、今回も協力してくださりありがたいです。


岩爪:皆さんから「ラグビーシーンがリアルで迫力があるね」という言葉を多くもらいました。元トップリーグ選手に求められている役割として、リアルなシーンを提供し、発信するというねらいがあり、私たちもその使命を持って撮影に臨んでいたので、ありがたいお言葉でしたね。貴重な経験をさせてもらい、このご縁に感謝しています。



―――撮影時に苦労したことはありましたか? またラグビーのプレー面で皆さんがアドバイスされる場面はあったのでしょうか。


髙橋:撮影時に驚いたことの一つが、ワンプレーにつき、寄り、引き、全体と何度も撮影するということです。普通のラグビーの練習ではありえないことなので、一番苦労した点ですね。また、これは裏話ですが、端本さんは浜畑選手(廣瀬俊朗さん)の関西弁を全面的に監修していました。


端本:そうなんですよ。大阪出身の私は撮影当初、標準語を話すことができず苦労したのですが、スタッフ陣から半ばあきらめられ、唯一関西弁をゆるされた存在でした。その状況を知った監督が「いいねぇ、主人公は関西弁のイメージでいくつもりだったんだよ!」と受け入れてくださり、さらに浜畑さんの関西弁を監修する立場へ。というのも、浜畑選手役の廣瀬さんは関西出身の元日本代表選手なのですが、関東での活動が長く、関西弁を忘れていたんですよ(笑)


岩爪:端本さんの関西弁が正しかったかはわかりませんが、第1話は、少なくとも端本さんのオリジナリティあふれる関西弁だったと思います(笑)。また彼の無表情はラグビー選手ならではの迫力の演出にも貢献していましたね。バックスのサインプレーはほとんど髙橋さんが考えたものでしたし。それぞれの個性を発揮できたのではないでしょうか。
私は業務でラグビーに関わっているので、クボタスピアーズの活動経験を活かすことができました。たとえばアストロズの地域貢献のシーンでは、制作側から助言を求められスピアーズの活動事例をお伝えすることができましたね。そうそう!アストロズのミーティングルームには実はクボタスピアーズのOBの写真が飾られていたのですよ。皆さん気づかれましたか?



―――撮影を通してアストロズのメンバーとの中で生まれた絆、また印象的なシーンはありましたか?


井上:撮影時間がとても長かったので、最終話に近づくに連れて「まとまっていこう!」という思いは、みんなの中にあったと思います。


髙橋:最終話のゲームシーンのために4泊5日のラグビー合宿といった形で福島県を訪れ、メンバーの団結が一層深まりましたね。


岩爪:私は第3話の相撲部屋のシーンが印象的で、力士と実際に取り組みをして砂まみれになれた経験が貴重でしたね。タックルやモールの技術の向上をめざしてフォワード選手メインで撮影に臨んだのですが、もともと相撲好きな私は純粋に嬉しかったです。


端本:私は第1話の雨の中のシーンが印象的でした。撮影は20時から始まって翌2時頃まで続いた長丁場!6月でまだ寒く皆でブルブル震えながらプレーしていました。


髙橋:あの時は実際も雨が降っていたのですが、雨粒が映像にうまく映らないため、追加でクレーンから雨を降らせていました。君嶋GM(大泉洋さん)の熱い長ゼリフのとき、撮影に10時間ほど要し、私たちは立っているだけだったのですが、役者とはつくづく大変だなぁと感じましたね。


岩爪:その時は夕方のセットだったので日付の感覚がなくなっていましたよね。


端本:時差ボケというのでしょうか、セットと実際の時間帯が違うことはよくあり、1週間ほど体調が悪かったりしたことも(笑)


髙橋:試合前のロッカールームのシーンで現役時代を思い出し、グッときたこともありました。試合に出場できない選手のために!従業員のために!と高揚する思いを思い出しました。


岩爪:自分たちが経験したラグビーを演技で表現するのはスムーズでした。たとえば第6話で本波選手(天野義久さん)が引退する場面は感情移入をしっかりできました。最終話の君嶋GMが「ラグビーが大好きだ」といったシーンは、第1話に対応するドラマの見せどころでもありましたが、本当に大好きだ、と言ってもらっているようで、ジンときましたね。


髙橋:そのシーンはクランクアップ間際で、撮影もクライマックス。夜中の1時半頃に昼のライトを当てて行い、体力的にも極まったシーンでしたね。



―――今回のドラマのテーマである「企業スポーツ」について、またラグビーの魅力についてどう思われますか?


井上:クボタスピアーズの現役時代はお客様との間で話題にのぼることも多く、会社の看板としての役割と責任を強く感じていましたが、今回「ノーサイド・ゲーム」出演で再び話題になったことで、組織の中で一人ひとりが看板として責任を果たす大切さというものを再認識しましたね。


端本:子どもの頃、テレビでラグビーのスター選手を観て育った自分が、実際企業でラグビーをさせてもらい、そこで培った経験をドラマで活かすことができ、ラグビーで人の気持ちを動かすことができたのなら、こんなに嬉しいことはありません。私の取り組みでラグビー人口の増加に貢献できれば素晴らしいと感じますね。


岩爪:日本を元気にしたい、と福澤監督が撮影前に言っていましたが、まさにスポーツにもドラマにも「観るものを元気づける」という共通点があることを実感しました。企業スポーツは、周りの方々のためにプレーする意義があることを感じました。



―――最後に、アストロズのメンバーがトップリーグで戦うとしたらいい線をねらえると思いますか?

全員:きついなぁ(笑) アストロズのメンバーって、下が19歳から上が47歳と年齢差があるので苦しいですが、スーパープレーヤーが全員20代に戻ってくれたら、いいトコまでいくと思いますね。

■参考情報
日曜劇場「ノーサイド・ゲーム」
https://www.tbs.co.jp/noside_game_tbs/

★「ノーサイドゲーム」ディレクターズカット版はparaviで配信中
 DVD & Blu-rayは2020年1月10日(金)発売予定


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