稲橋良太
年齢:31歳
ポジション:フランカー
スピアーズ在籍:2011-2020(9年間)
スピアーズcap数:21cap
フィールドでは泥臭くひた向きなプレーでチームに貢献。
フィールド外では、その多彩な才能を活かして表舞台に立ち、様々なことを発信。
一見フィールド内外でスタイルが全く違うような印象を受けますが、双方に共通して突き動かした原動力は稲橋選手の強い責任感だったのかもしれません。
2011年の入団後、しばらくは走り込みとリハビリの生活だった稲橋選手。
学生時代の選手生命を揺るがす大きな怪我の影響で、入団当初はラグビーをすることがなかなできませんでした。それでも地道に気が遠くなるような復帰への道のりを越えて、こうしてスピアーズでの現役生活を9年間続けられたのは彼のその強靭な精神力があってこそです。
オープンサイドフランカーとして「走る」「当たる」「絡む」に徹底したプレースタイルは相手にとって脅威。「泥臭い」という言葉がぴったりなくらい体を張るプレーで、試合後の顔はいつも傷だらけ。それでもノーサイド後に仲間たちと握手する充実した笑顔は、自らの責任を果たそうとする男の顔です。
フィールド外では、2017年より就任したジャパントップリーグリーダー会議代表としてチームや選手の意見をまとめ、発言・行動する立場に。
リーダー会議代表としての発信やイベントへの参加はもちろん、自ら企画していちラグビー選手としての病院への訪問や被災地訪問など、「ラグビー選手だからこそできる活動」を行いました。
一人のトップリーガーとして練習や試合があり、企業スポーツ選手として業務がある中、そうした活動を行った原動力は「ラグビーのために」「チームのために」「だれかのために」という強い責任感がなくてはできません。
次のステージでも、稲橋選手らしく輝いてほしいと思います。
そんな稲橋選手より以下の通り、コメントを頂きましたのでご覧ください。
①クボタスピアーズ在籍中の最も印象に残る試合やエピソードを教えてください。
「2018.12.1 トップリーグ順位決定戦
vs SUNTORY
スタンド一杯に広がるオレンジアーミーをまとったスピアーズファミリーの姿に感動した。入団して初めて見る光景だった。忘れる事が出来ない。」
②クボタスピアーズのファンに向けてメッセージをお願いします。
「クボタスピアーズのファンの皆様へ
皆様、お変わりなくお過ごしでしょうか。そろそろラグビー貯金(ラグビーを生で観たい気持ちを貯める事)もかなり仕上がってきているのではないでしょうか?
突然ではありますが、今シーズンをもって、スピアーズを退団する事を報告させて下さい。2011年に入団し、9年間プレーする事が出来ました。
この9年間を振り返ると「ファンの皆様と共に歩んだ9年間」だったと心から思います。
ファーストジャージに袖を通した回数を見ると、もっと早く退団するべきだったと思います。ですが、ここまでチームに在籍し、プレー出来たのは皆様の温かい声援があったからだと思います。もし、それがなかったら僕の心は早くに折れていたと思います。本当にありがとうございました!
私は8歳の時に伊丹ラグビースクールでラグビーと出会い、そこから東海大仰星→東海大→クボタと23年間、ラグビーと共に人生を歩んできました。正直、ここまで続けられるとは想像も出来ませんでした。
個人の運動能力としては決して高くありません。足も速くないし、ハンドリングも良くない。派手なプレーが出来るタイプでもありませんでした。
でも、そんな私でも、ここまでラグビーに向き合い続けられたのはラグビーが『仲間を尊重し、助け合い、みんなの力で目標に向かっていけるスポーツ』だったからです。
練習を終えると体重が激減していたり、試合の翌日はベッドから起き上がるのが辛かったりと、痛い・しんどいスポーツでしたが、仲間と一緒だったから乗り越えられた。ラグビーをやって良かったと心から思えます。
ファンの皆様へのメッセージの場ですが、スピアーズのスタッフ、家族にも感謝を伝えたいと思います。
スピアーズスタッフの皆さん、9年間本当にありがとうございました。入団した時とはスタッフのメンバーもガラっと変わりましたが、その全員に感謝しています。
入団当初は、本当に復帰できるのかわからない状態の選手で扱いづらかったと思います。そんな中でも快く受け入れ、サポートして頂き感謝しています。スタッフの皆さんの支えがなければ、9年間も続けられませんでした。これからはOBとして、皆さんをサポート出来れば思っています。
家族のみんなには、23年もの長い間ケガばっかりする姿を見せ、本当に心配をかけました。もう頭が割れたりする事はないので安心して下さい!笑
選手という立場が退き、時間が出来ると思うので、今まで受けた恩を、これからゆっくりと返させてください。
今から僕の生い立ちを含む、ここまでのストーリーをお話ししようと思いましたが、ご覧になって下さっている皆様が疲れると思いますので、またの機会にします。
選手という立場からは退きますが、僕の人生と共にラグビーがある事に変わりはありません。これからは、今までと違う形でラグビーにコミットしていければと思っています。一緒にスピアーズを、日本ラグビーを盛り上げていきましょう!!
長くなりましたが、最後に。
ラグビーを通じ、人生を変えてくれた恩師・苦楽を共にした仲間・いつも支えてくれたファンの皆様に出会うことが出来ました。皆さんと共に過ごした時間は、僕の人生の財産です。
稲橋良太のラグビーキャリアを支えてくれた皆さーーーーーーーーーん!愛してまーーーーーーーーーす!!」
【稲橋良太選手写真を紹介】
↑痛く激しいプレーをだれよりも得意とした稲橋選手
↑クボタスピアーズの同期たちと
↑シーズン終盤は怪我が続いて、なかなかプレーができなかった
↑試合終了後の出し切った表情が印象的
↑下部リーグ時代も経験。クボタスピアーズのフランカーを代表する存在に
↑地域貢献活動やU15育成プログラムでのコーチ活動など、未来のラグビーに向けた普及活動にも積極的に参加
↑試合に出場していない日でも、真摯なファンサービス対応をする稲橋選手
稲橋選手、ありがとうございました。そして、お疲れ様でした。