萩澤正太
年齢:30歳
ポジション:フランカー、ロック
スピアーズ在籍:2013-2020(7年間)
スピアーズcap数:26cap
一見するとラグビー選手ということを疑ってしまうほどの好青年。
本当にこんな優しそうな雰囲気で、相手とぶつかり合えるの?と思ってしまいます。
それは外見だけでなく、話してみるとなおさら。物腰柔らかく低姿勢で礼儀正しい。
きっとグラウンドの外で萩澤選手に会った方であれば、ラグビーをプレーしている姿は想像ができないでしょう。
萩澤選手はロックもこなせる長身フランカーとして活躍。
なんといってもその特徴は走力とワークレートで、無尽蔵の体力とフォワードとは思えないキレのあるステップ、そして「よくそこでサポートしてれた!」と思わせる嗅覚抜群のサポート能力でチームに貢献しました。ラインアウトジャンパーとしても優秀で、フォワードのセットプレーにおいても大きな働きをする選手でした。
そうした彼の能力は、7人制ラグビー日本代表として出場した2014年アジア大会での金メダル獲得の実績でもわかります。
また、彼のチームへの貢献度はパフォーマンスだけにはとどまりません。
ラグビーの魅力のひとつが多様性といわれています。
今季退団する10名の選手だけでも、体格も性格もプレースタイルも様々。
ラグビーというスポーツはその多様さを受け入れ、活かし、それぞれに大切な役割を与える器量を持っています。
その多様性を統率するのは、コーチ陣やキャプテンだったりしますが、実は萩澤選手のような存在がチームをまとめているということはあまり知られていません。
80分間、心身共に極限の中で戦う試合中は、闘争心に溢れ、アドレナリン全開。
ノーサイドの精神といわれますが、試合中は「勝つか負けるか」かが最重要。
そうした中でも萩澤選手は、チームメイトを気遣い、鼓舞し、サポートし続けます。
決して中心でリーダーシップを発揮するわけではありませんが、チームを盛り上げ、いい流れや雰囲気を作るのは、萩澤選手のような潤滑油的役割をしてくれる選手のおかげです。
いつでも前向きな発言と、優しい人柄、さわやかな笑顔。
そうした萩澤選手から以下の通りコメントを頂いておりますので、ご覧ください。
①クボタスピアーズ在籍中の最も印象に残る試合やエピソードを教えてください。
「スピアーズでの7年間を振り返ると、それぞれの試合や場面でいろいろな思い出があり、ひとつに選ぶのは難しかったのですが、スピアーズ人生で印象に残っていることがあるので紹介します。
まず、スピアーズに加入後、最初の実戦形式の練習で、母校の流通経済大学と対戦しました。その際に、ファーストプレーのタックルで元々痛めていた左肩を脱臼し、手術することになり、長期離脱となってしまいました。
今となっては笑い話ですが、スピアーズの一員として頑張ろうと思っていた矢先の出来事、また、対戦相手が母校であることなど、当時は本当に落ち込んだことを覚えています。
ただ、その後懸命にリハビリを行い、怪我からの復帰後、2試合目と3試合目の練習試合でチーム内のMVPに選ばれ、その流れで、2013年12月1日の豊田自動織機戦でトップリーグデビューすることができました。また、そのシーズンはその後最終戦までスタメンでプレーすることができ、一転して自信につながるシーズンとなりました。
他にも、トップリーグ初トライをとり、MOMにも選ばれたホンダヒート戦や、試合には出場していませんでしたが、秩父宮のスタンドがオレンジアーミー1色となったサントリー戦なども印象に残っています。そして何よりも、スピアーズのメンバーと、時には寝食を共にして過ごした時間は、かけがえのないものになったと思っています。」
↑マンオブザマッチに選ばれたトップリーグ2016-2017シーズンのホンダヒート戦では1トライを奪った
②クボタスピアーズのファンに向けてメッセージをお願いします。
「7年間応援して頂きありがとうございました。
皆様の応援やサポートのおかげでここまでラグビーを続けることができました。
また、チームがどんな状況でも声援を送ってくれる皆様のおかげで、つらいときでも前を向くことができました。本当にありがとうございました。
今後は、皆様と一緒にスピアーズを応援していきたいと思いますので、引き続き宜しくお願い致します。
いま、世界がコロナウイルスの影響で大変なことになっていますが、心を一つにoneになって、お互いを思いやり、One for all,All for oneでウイルスと戦っていきましょう。
また試合会場でお会いできるのを楽しみにしております。」
【萩澤正太選手写真を紹介】
↑ここぞという所でサポートして、ボールをもらう運動量と鋭いステップが特徴
↑新関選手とダブルタックルする萩澤選手
↑スクラムの際はプロップを鼓舞し、懸命に後押し
↑とにかくよく走る選手でした
萩澤選手、お疲れ様でした。そして、ありがとうございました。次の舞台でも走り続けてください。